オークション詐欺について(ヤフーオークション、メルカリ、ネットオークション)

オークション詐欺について

オークション詐欺とは、オークションの出品や落札後の商品受け渡しにおいて行われる詐欺行為を指します。詐欺の手口には、商品を送らずに金銭を騙し取る、出品された商品とは異なるものを渡す、金銭を支払うつもりのない落札、あるいはサクラ行為やステルスマーケティング(ステマ)などが含まれます。これらの行為は、特にインターネットオークションにおいて1990年代末から多発し始めました。以下では、具体的な手口とその対策について詳述します。

オークション詐欺の手口

未送付詐欺

オークションサイトで最も一般的な詐欺です。落札者が商品代金を振り込んでも、商品が発送されずに金銭を騙し取られます。評価を偽装するためにID乗っ取り詐欺と併用されることもあります。発覚を遅らせるために偽の追跡番号を送付したり、送付が遅れる理由をつけて警察の介入を防ぐパターンも見られます。現在、多くのオークションサイトでは商品が発送されない場合、落札者側がキャンセルを申し立てることができるため、この手の詐欺は減少しています。

振り込んだ詐欺

金曜日や休日前の夜間に振込を行ったと偽り、商品の発送を要求する手口です。出品者は入金が確認できないことを理由に発送を拒みますが、支払証明書の偽装画像を用いて早急な発送を求めます。相手を信じて商品を発送すると、後日料金が振り込まれずに商品を騙し取られることになります。根本的な対策は、振込が確認されるか、エスクロー業者より正式通知があるまで発送しないことです。

並行輸入品詐欺

主にDVDやゲームなどの映像ソフトが対象です。並行輸入品を国内の正規品と偽って販売し、差額を騙し取る手口です。リージョンが異なるため再生できないことや、字幕が消せないなどの問題が発生します。対策として、製品が国内で正規流通しているか確認することが重要です。

偽ブランド品詐欺

有名ブランド品を出品し、偽ブランド品を送付する手口です。落札者が偽物だと気づかないことを期待しています。苦情があっても「偽ブランド品とは知らなかった」と主張し、返却を求めるが返金しないケースが多発しています。特にファッション品や電子機器、時計、DVDなど多岐に渡ります。即決価格が小売価格の相場より異常に安い場合は注意が必要です。

ID乗っ取り詐欺

パスワードを推測または違法に入手し、IDを乗っ取って出品する手口です。過去にフィッシング詐欺やスパイウェアなどで盗まれたIDを使用します。見分ける方法として、過去の出品や落札履歴から傾向が急激に変わっていないかを確認することが有効です。

成りすまし詐欺

IDを乗っ取らず、相手のメールアドレスに出品者を装ってメールし、自分の口座に振り込ませる手口です。次点落札者を狙ったものもあり、「落札者辞退のため、あなたの落札に変更された」というメールは警戒すべきです。

返品詐欺

メルカリなどで横行している詐欺で、送られてきた商品にクレームを付け、別の品物を送り返す手口です。電子記録媒体を違法にコピーしてから返品する、状態の悪い同じ商品とすり替えて返品するなどがあります。メルカリ事務局の積極介入ポリシーを悪用しています。

取り込み詐欺

商品代金の支払いを渋り、「先に現物を確認したい」といった理由で物品を先送りさせ、その後振り込みが行われない手口です。商品の一部代金を先払いして安心させ、残額を支払わない場合も含まれます。対応策は内容証明郵便を送付し、支払いを請求することです。

エスクロー決済詐欺

オークションサイトの決済システムを利用し、決済が行われたように見せかけて商品を発送させる手口です。決済が完了した段階で出品者に通知されるようになっているため、詐欺は減少していますが、チャージバックを申し立てられる場合もあります。

送料詐欺

商品を1円で出品し、高額な送料を請求する手口です。無在庫出品と併用されることが多いです。

ペーパーカンパニー詐欺

eBayなどで見られる詐欺で、架空のエスクロー会社や運送会社を作り、代金を騙し取る手口です。日本のネットオークションでは大掛かりな詐欺です。

チャージバック詐欺

PayPalに対し、「商品が届いていない」「中身が空箱だった」などとクレームを申し立て、支払った代金をチャージバックさせる手口です。メルカリでも同様の詐欺が横行しています。

空箱詐欺

商品説明に「空箱」と記載せずに空箱を送る手口です。高額商品で多発しています。

フィッシング詐欺

オークションサイトを装ったメールを送り、偽サイトに誘導してクレジットカード情報などを入力させる手口です。

代金引換郵便詐欺

価値のないものを代金引換で送付し、代金を騙し取る手口です。現在はオークションサイト公式の決済サービス以外の支払い方法を禁止しているため、被害は減少しています。

詐欺の見極め

過去の取引実績を確認することは当然ですが、特に古物(中古品)を専門に扱う業者の場合は、古物商の登録を確認することが重要です。人気のあるブランド品やゲーム機器、入手困難なゲームソフトなどが市場価格より極端に安い場合は、詐欺の可能性があります。商品の写真がカタログやWebサイトからの転載である場合も注意が必要です。商品の発送前には現物の写真やシリアル番号を手元に残しておくことも重要です。

支払いと引き換え方法

  1. 商品ページに記載された物以外にも、発送前に商品の写真や動画を撮影して正常性を確認する。
  2. 製造番号や購入履歴などは写真や動画で記録しておく。
  3. 初期不良については十分に留意し、安易な返品は受け付けない。
  4. 初期不良や郵送事故による返品対応の際には、返送を待ち、同一品であることを確認する。
  5. 手付金のみを支払う発言を鵜呑みにせず、安易な先送りや分割払いには応じない。
  6. 代金が全額振り込まれたことを確認してから発送する。
  7. 評価のみを参考にせず、ID乗っ取りや自演評価の可能性を考慮する。
  8. 振込には補償のある方法を選択する。
  9. トラブル口座リストや運営による告知リストを確認する。
  10. 出品者が法人の場合は特定商取引法に基づく表記を確認する。

ただし、代金引換で中身を確認してから代金を支払うことはできないため、注意が必要です。

情報の偽装

連絡先はプリペイド式携帯電話や本人確認書類の不要なプリペイドSIM、公衆無線LANを使用する場合が多いです。メールアドレスはVPNなどでIPアドレスやリモートホストを偽装し、複数のメールサーバを中継して証拠を残さないようにします。メールの送信場所はマンガ喫茶や公共施設のインターネットパソコンから行われることもあります。

オークション詐欺は、多岐に渡る手口で行われますが、適切な対策を講じることで被害を防ぐことができます。商品を購入する際は、過去の取引実績や商品の詳細をよく確認し、不審な点があれば取引を避けることが重要です。


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